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2010年7月12日 (月)

納豆で家庭争議

先日たまたま実家近くのスーパーに寄った時に、納豆を混ぜる専用の棒(?)と、納豆にかける専用の醤油とやらを買ってきました。

棒のほうは、先のほうが二つに割れた箸くらいの長さの…というよりは、白いプラスチック箸の上部3分の1くらいがくっついた形。割れている先のほうにプツプツの突起が付いていて、これが混ぜるときに空気を取り込むんだそう。納豆は混ぜれば混ぜるほどグルタミン酸が増加して味わいが増し、また何かしら健康に良い成分であるナットウキナーゼも増えるとのこと(説明書きのついた袋を捨ててしまったので記憶で書いてます)。そういえば北大路魯山人も、確か納豆は四百何十回か混ぜることにしていたというのをどこかで読んだ気もする。これもうろ覚えというか、創作かもしれないけど。
私はもともと納豆を食べるときにはちょっとしつこいくらい混ぜて混ぜて、納豆全体が糸で白く覆われる位まで混ぜていたので、思わず買ってしまった。ちなみに、いつもはより粘り気を出すために塩を最初に振っている。これはどこかで読んだわけじゃなくて父親に教えられたような気がするな。効果あるのかはよくわからない。
でさっそく使ってみたのですが、結果からいうと期待したほどの混ぜ効果は感じられなかった。期待しすぎだったのか。もともと長時間かけて相当の所まで自然と混ぜていたのであまり感動がなかったのかもしれない。あるいは比較的柔らかめの納豆だったのが裏目に出た(豆同士が絡み合うというより潰し合うような感じになってしまった)のかもしれない。でもまあ、当分使ってみます。ただ、これで混ぜた後に改めて箸を持ち出すのはなんか二度手間だなあ。

もうひとつの納豆用醤油のほうは、醤油にかつお・昆布等の出汁とレモン果汁がちょっと入った、色が薄いポン酢に近い見た目。最初に匂いを嗅いだときはレモンが強く感じたけど、口にしてみるとそうでもなくて普通に使える。変な味にはならない代わり、納豆用にものすごく最適化されているという感動もなく、無難なものでした。

しかし、問題は別のところにあった。通常の発泡スチロール小パックには、デフォルトで小袋のタレ(主に出汁醤油)としばしば辛子がついてますね。納豆用醤油を使ってしまうとこちらの出番がなくなってしまうことに気づいて考え込んでしまった。
一番簡単な解決法は気にせず両方ぶち込んでしまうことなんだけれど、それでは互いに味が活きなくなってしまう。小パックのタレもそれぞれ工夫がされているので、ちゃんと味わいたいし、納豆用醤油のほうは混ぜて味がよく分からなくなるくらいなら最初から普通の醤油使ってりゃいいじゃんというものである。

それで思い出したんだけど…あいまいな記憶ばかりで恐縮ですが、昔何かのマンガでこんなシーンがあった。
彼氏と彼氏の姉が二人暮らしの家に、ある日彼女がお泊りして、翌日朝帰りした姉に(若い姉弟なのでオープンな家庭なんですね)朝ごはんを用意する彼女。納豆に醤油を添えて出そうとすると、姉が「わたし、納豆はいつも醤油じゃなくて付属のタレで食べるのよね~」。彼女「すいません…」
ようするに彼女に釘を刺す場面だけど、これは実はタレと醤油の対立関係を姉と彼女に置き換えてアナロジカルに描いているのです。いや、作者はそんなつもりないとは思うけど。確かに付属タレの立場からすれば専用の醤油なんてわかったようなこと言って後から割り込んでくる存在は煙ったいよね。小姑根性が発露されても仕方がないかなあと思うわけであります。さきほど述べたとおり納豆は一人・醤油ないしタレは二人ということで、両雄じゃなくて両雌並び立たずというのかな、中間点をうまくとるという解は最初からありえないわけで、気軽な買い物が予想外のトラブルを家庭に持ち込むことになり、正直困惑しています。ここでただただ困惑しているというのがまた、典型的なダメ男性という気もするんだけど。

途方に暮れる私を、白い納豆混ぜ棒だけが静かに見つめているのでした。

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